高尿酸血症・痛風

高尿酸血症・痛風とは

血液中の尿酸値が通常より高くなることを「高尿酸血症」といいます。
飲み過ぎ、肉類などの摂り過ぎなどの生活習慣の乱れを主な原因として発症します。
そしてさらに血液中の尿酸値が高くなると、足の親指など小さな関節において尿酸が結晶化し、急性の激しい痛みを引き起こします。これが、「痛風」です。数日間は歩けないほどの痛みが続きます。
放置していると繰り返し痛風発作が起こるようになり、次第に痛みがより強く、発作の間隔がより短くなっていくことから、生活の質が大きく低下します。

高血圧・脂質異常症・糖尿病を合併することも

高尿酸血症を放置していると、発作が起こるだけでなく、高血圧・脂質異常症・糖尿病の合併リスクが高まります。
これらの生活習慣の合併は、さらにその先にある動脈硬化、および心筋梗塞・脳卒中のリスクを高めることにもなります。

高尿酸血症・痛風の原因

高尿酸血症は、プリン体の摂り過ぎや体内での産生量の増加、肥満、飲み過ぎ、腎臓の機能低下、ストレスなどの原因が重なることで発症するといわれています。
プリン体とは、身体の細胞にある核酸という物質の主成分です。食べ物・アルコールなどから取り過ぎるだけでなく、新陳代謝に伴う核酸からの放出によって、体内のプリン体の量が増えていきます。

プリン体含有量の多い食べ物

プリン体は、私たちの身体の大切なエネルギー源です。また、プリン体を摂らないということは現実的に不可能です。摂り過ぎないことが何よりも重要です。

  • 鶏肉モモ
  • 干し椎茸
  • 豚肉ヒレ
  • ニボシ
  • 牛肉モモ
  • 車エビ
  • 鶏・豚・牛レバー
  • ローヤルゼリー
  • 魚の干物(サンマ、マアジ、マイワシ)
  • ビール、日本酒、紹興酒など

高尿酸血症・痛風の治療

生活習慣の改善

アルコールとプリン体の摂り過ぎを控える食事療法が中心となります。加えて、肥満のある方は無理のないダイエットを行います。

薬物療法

尿酸の体内での産生を抑制する薬、尿酸の排泄を促す薬などを使用します。

痛風の治療

痛風の発作時には、消炎鎮痛剤を用いて痛みを抑えます。症状が落ち着いてから、尿酸値をコントロールする治療(高尿酸血症の治療)を行います。

高尿酸血症・痛風の予防

心筋梗塞・脳卒中

糖尿病を放置すると、全身の血管が脆く硬くなる「動脈硬化」が進行します。これにより、心臓や脳の血管が障害され、狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞のリスクが高くなります。

糖尿病の三大合併症

食べ過ぎ・飲み過ぎを控える

アルコール、プリン体の摂り過ぎには注意しなくてはなりません。
肉・魚の内臓、干物などは特にプリン体が多く含まれています。
1日あたりのプリン体の摂取量は、400mg以下に抑えましょう。

小まめに水・お茶を摂取する

体内の水分量が少ないと、血液が濃くなり、必然的に尿酸の濃度も上昇します。
1日2リットル以上を目安に、水またはお茶を小まめに摂取しましょう。

ストレスの発散

高尿酸血症の原因の1つとなるストレスとうまく付き合っていきましょう。
ストレスを発散できるスポーツ・趣味などを見つけることが大切です。
また、常にストレスに“立ち向かう”必要はありません。
ときにはストレスを回避したり、まわりの助けを借りることも考えましょう。

適度な運動

週に3回程度、負荷の軽い有酸素運動を行うことで、適正な体重をコントロールしましょう。
無酸素運動、過度な負荷は尿酸値を高める原因になりますので、控えます。

高尿酸血症・痛風のお悩み・症状がある際は当院へお越しください

当院では日本循環器学会専門医が『高尿酸血症・痛風』の検査診療を行っています。生活習慣の改善をしたいけどうまくいかない、足先が痛む、などがあれば、お気軽に当院にご相談ください。

高尿酸血症・痛風Q&A

痛風でとても痛いのですが、早く治せる方法はありますか?

まずは鎮痛剤の内服で痛みをコントロールします。 痛みが落ち着いたら尿酸を下げるお薬を開始します。尿酸値が高いと指摘されたら、症状がなくてもご相談ください。

痛風になると尿の色に変化はありますか。

ありません。尿が赤色を示す時(血尿)は膀胱や腎臓、前立腺の病気が考えられます。また、ビタミン剤や栄養ドリンクを飲んだ時に尿の色が濃くなることがあります。